こくまくくぅ人形「今日は雨なので、車内から窓越しに。雨に濡れて、風邪をひくといけないからね。」
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住所 茨城県水戸市見川2267-3
電話番号 029-241-1330
営業時間 11:00 ~ 15:00/18:00 ~ 21:00
定休日 月・木曜日
駐車スペース 有
https://twitter.com/menittyoku
こくまくくぅ「さっき、店に入る時、入り口前の軒下で、おかしな子供が地面にしゃがんで、地面に絵を描くような素振りをしていたなあ。」
人形くくぅ「
そうそう、なんか変な覆面をかぶってる子だろ。落書きを両手のひらで、消すような素振りをして、こちらを見上げたので、目が合って、やな予感がしたよ。」
こくまくくぅ「あんなマスクをかぶった子供、気持ち悪いし。」
マスク・ド・ラーメン「
私のことですか?」
人形くくぅ「
あ、その覆面の子供だ! いつの間にか、横にいた!」
こくまくくぅ「なんだ、君は、それは、赤べこ、か?」
マスク・ド・ラーメン「
いいえ、違います。マスク・ド・ラーメン、です。」
人形くくぅ「
なんですか、それ。何か、用ですか?」
マスク・ド・ラーメン「
ま、そうおっしゃらずに。ご一緒いたしましょう。」
こくまくくぅ「なんで? ・・・あ、横に座った。おかしいなあ、知らない子なのに・・・」
マスク・ド・ラーメン「
まあ、そう冷たくしないで。民主主義的にいきましょう。」
人形くくぅ「
民主主義ですか?」
マスク・ド・ラーメン「
そうですよ、なんですか、いい大人が、エゴ丸出しで、みっともない。」
こくまくくぅ「みっともないって・・・」
人形くくぅ「
それに、なんで、覆面なんか・・・、あれ? その目、なんか見覚えあるような・・・・」
こくまくくぅ「ヒントか、確かに、なんだか知ってるぞ、その鼻もなあ・・・」
マスク・ド・ラーメン「
この覆面は、ゲームに負けたら、とるんです。普通、そうでしょ?」
人形くくぅ「
ああ、そうかもしれない。三振とかね?」
こくまくくぅ「でも、野球やってないし。」
マスク・ド・ラーメン「
いいでしょう! 会話の野球です! 負けたら罰ゲーム、マスクをとりましょ! 潔く正体をあらわします!」」
人形くくぅ「
何を言ってるか、意味が分からない・・・」
マスク・ド・ラーメン「
では、いきますよ、民主主義、とは、なんでしょう?」
こくまくくぅ「なんだそれは、学校で習ったばかりなのか?」
マスク・ド・ラーメン「
民主主義の宣言文には、こう、あります。・・・人種、性別、宗教、財産、社会的地位、など、に関わらず、すべての人は平等です・・・」
人形くくぅ「
ああ、そうかもしれないなあ。」
マスク・ド・ラーメン「
この、に関わらず、が、重要です! 」
こくまくくぅ「はあ・・・」
マスク・ド・ラーメン「
に関わらず、は、実体的内容を除去するはたらき、をしています。なぜでしょう?」
人形くくぅ「
???」
マスク・ド・ラーメン「
民主主義の主体は、すべての内容を除去した、形式的な主体性、のことだからです。」
こくまくくぅ「はあ・・・。つまり、本音よりも建前を重視するということか。」
マスク・ド・ラーメン「
その通り。なぜでしょう?」
人形くくぅ「
・・・。市民社会の体裁を整えること・・・」
マスク・ド・ラーメン「
いいでしょう。普遍性の定義は、特殊な、個別的内容を取り除いたもの、だからです。」
こくまくくぅ「万人に共通するもの、が、普遍性だ。特殊な偏りのないもの・・・」
マスク・ド・ラーメン「
ということは、結局、万人共通の、形式的な枠組み、が大事だということです。」
人形くくぅ「
ふむ、それで・・・」
マスク・ド・ラーメン「
普遍的平等とは、形式的な権利と義務の領域です。つまり、われわれは、自らの自然的な基盤を失った、空っぽの主体性、となることで、民主主義的な主体となります。」
こくまくくぅ「動物的な性向を抑えて、市民になるということだ。」
マスク・ド・ラーメン「
そうです。そもそも、文明とは、自然からの離脱であり、自然を失った空っぽの主体となることで、自然の完全な支配と利用を手にすることです。」
人形くくぅ「
ま、そうだな。」
マスク・ド・ラーメン「
そうして、自然を、別の非自然的な全体に組み合わせ直す、のです。」
こくまくくぅ「それが、文明的な秩序世界だ。」
人形くくぅ「
いわば、人工的な、人為的な宇宙だ。」
マスク・ド・ラーメン「
その代償は、なんでしょう?」
こくまくくぅ「さあ・・・」
マスク・ド・ラーメン「
文明化の代償は、実体を欠いた、空っぽの、形式的な生、です。」
人形くくぅ「
必然性のない、偶然的で、あてにならない、形式的役割を引き受けなければならない、わけだ。」
こくまくくぅ「自然的実体の代わりをするのが、人為的な物語だ。」
マスク・ド・ラーメン「
よろしい。そのために、人は欲望に憑りつかれることになるのです。欲望とは、突き詰めれば、喪われた実体を取り戻そう、とすること、です。」
人形くくぅ「
なるほど。」
マスク・ド・ラーメン「
しかし、実体的内容を失ってこそ、空っぽの主体、なわけですから、実際には、その望みはかないません。」
こくまくくぅ「実体を取り戻したら、動物になって、もはや、主体ではなくなる・・・」
マスク・ド・ラーメン「
欲望が真に叶えば、自己消失するのです。」
人形くくぅ「
じゃあ、欲望の対象は、永遠に手に入らない・・・」
マスク・ド・ラーメン「
なので、実体的内容は、妄想としてのみ、欲望されます。」
こくまくくぅ「なるほど。ないものねだりだ。」
マスク・ド・ラーメン「
なので、社会的な相互的な等価交換のネットワークを、すり抜けるような剰余的な対象、こそが、喪われた何か、として思い込まれ、欲望されます。」
人形くくぅ「
空っぽの主体を充たす詰め物は、非日常的な何か、だ。」
こくまくくぅ「それが、還るべき自然に関する情念の代役のようになる、のか・・・」
マスク・ド・ラーメン「
秩序世界は、自然に対する最低限の距離を維持することによって成り立ち、機能しますから、空っぽの主体とその自然的な内容とは、非対称的な関係にあります。なので、自然的内容は、もとより、空虚な幻想としてしか、想定できない、わけです。」
人形くくぅ「
なるほど・・・」
マスク・ド・ラーメン「
みなさん、残念ながら、どうやら、私の勝ち、のようですね?」
こくまくくぅ「え、どこで・・・」
マスク・ド・ラーメン「
質問にきちんと対応できなかったので、このマスクの下の実体を知ることはできません!」
人形くくぅ「
ええ・・・手ごわいなあ・・・」
こくまくくぅ「形式的なマスクだけ、で終わりなのか・・・」
マスク・ド・ラーメン「
それでは、おあとがよろしいようで・・・、どうぞ、おいしいラーメンをお楽しみください。失礼します。」
こくまくくぅ「あ、立ち上がって、去っていく…」
マスク・ド・ラーメン「
また、お会いしましょう!」
人形くくぅ「
背中越しに手を振った・・・」
こくまくくぅ「いなくなると、なんだか、さびしいなあ・・・」
人形くくぅ「
それに、なんだか、釈然としない。こうなると、マスクの下は誰なのか、気になる・・・・」
こくまくくぅ「あれ、入れ替わりに、向こうから、ミニくくぅがやってきたぞ。」
人形くくぅ「
ちょうどいいところに来た、ミニくくぅ、今、変な赤いマスクをかぶった子供とすれ違わなかったか?」
ミニくくぅ「
いや、別に・・・」
こくまくくぅ「おかしいなあ、君くらいの背丈の奇妙な子共なんだが、見かけなかった?」
ミニくくぅ「
いや、誰も・・・」
ラーメン 650円
こくまくくぅ「王道には王道の意味がある。スタンダードになって生き残ってきたもの、なわけだ。邪道は、結局、はねられてきたものだ。」
人形くくぅ「
自然な淘汰だ。」
こくまくくぅ「ところが、王道も、蔓延すれば飽きられてくる。まあ、そんな風に錯覚すると、邪道にも手を出すようになる。」
人形くくぅ「
手詰まり状態の活路を見出すためだ。まあ、それが、ジャンクだ。」
こくまくくぅ「邪道は、見向きもされなかったもの、見捨てられたもの、にも光を当てる。目先の新しさはあるからだ。」
人形くくぅ「
なんでも、試してみようと。数撃つうちには当たるかもしれない。」
こくまくくぅ「まあ、一見、新鮮に見えて、飛びつく人もある、かもしれないけど、所詮、邪道は、スタンダードにはならなかったもの、なわけだ。」
人形くくぅ「
たいていは、どこかに、ムリがあるもの、だ。まあ、くどい、とか、物足りない、とか、合わない、とか。結局、変則ワザなので、飽きられやすい。」
こくまくくぅ「結局は、王道で勝負しないとならない、というようなところはある、わけだ。まあ、ラーメンで言えば、清湯醤油ラーメンが王道だろう。」
人形くくぅ「
醤油つけ麺も入れてください(笑)。」
こくまくくぅ「いまや、王道は、ここ一直のように、王道に、真っ向から、まっとうに取り組んで、その完全形態をつくりあげる、そういう時期だろう。」
人形くくぅ「
王道は、すでに、ありふれて、慢性化している以上、精度が勝負だ。変則ワザは、しょせん、退屈しのぎ程度だ。」
こくまくくぅ「正攻法は、難しい。みんな、やろうとしても、少なからず玉砕するから、必然的に、多く質の悪いものに出会って、王道はつまらないものだと思い込まれがちだ。非正攻法の方が勢いがあるように見える。」
人形くくぅ「
それに、味覚の未熟な若者には、ジャンクな方がとっつきやすく、楽しいし。」
こくまくくぅ「正攻法で、要するに、清湯醤油などで、魅せるのは、そうとう、才覚とスキルが必要だ。なので、うまくやれないと、ブランド素材使用のキャッチ・コピーなどで箔づけしてなんとか誤魔化す。」
人形くくぅ「
まあ、キャッチ・コピーの踊り文字に騙される人は多いからね。絶品、とかの自己賞賛のうたい文句の暗示にかかる。」
こくまくくぅ「まあ、経験的に、自己宣伝は、味に真に自信のない店の常套手段とみて、おおむね間違いない(笑)。事実、ここは、そんな美辞麗句要素のかけらもない。」
人形くくぅ「
ま、商売なのでね、いいのでしょう。それで、客が来れば文句ない。味だけで勝負できないなら、それはそれで、しょうがないわけだ。」
こくまくくぅ「まあ、ほんとーにうまいなら、余計なおしゃべりは不要だ。」
人形くくぅ「
やーっちまったなあー、男は黙って・・・」
こくまくくぅ「
ぶたちん、
ぶたちん、と最近騒がれているようだけど、ラーメンなんて、基本、豚と鶏しかないからね。豚清湯の店なんて、わんさとある(笑)。」
人形くくぅ「
まあ、ここのように、精度を上げたぶたちん、ということなんだろうね。ニューウェーヴぶたちん。」
こくまくくぅ「普通にウマイ、豚清湯なら、すでに、どこにでも、ざらにある。取り立てて騒がなくてもね。なんか清湯ブームになりつつあるようだけど、たぶん、そうそうウマいのはできないはず(笑)。大抵の店は、すでに、たいしてうまくない、わけだから。」
人形くくぅ「
ブームといっても、厳しいだろう。別に、なんでもいい、わけじゃあないし。」
こくまくくぅ「一直の豚清湯の場合、発明、と言っていいほどの、冴えがある。技術的な内容が、凡庸店とは
まるで違う。まるで、を強調しておきました、お見逃しなく(笑)。」
人形くくぅ「
こんな出来栄えを打ち出すのは、至難の業だろう。」
こくまくくぅ「普通は、こんなふうにできないので、キッチュな実験性に走るわけだ。ヘンテコな実験を、創造性のように錯覚する。作り手も食べ手も、安易な新作を、創作能力と勘違いする。」
人形くくぅ「
でも、飽きんの、はやい(笑)。ま、一過性でも稼げればいいのだろう。」
こくまくくぅ「限定で、すぐ逃げるしね。うまいやり方だ。ブーム浮沈より先にやめる(笑)。」
人形くくぅ「
まあ、限定に飛びつく人は、王道派ではない(笑)。味のわからない向きにはちょうどいいのかも。」
こくまくくぅ「でも、ちょっと、そうした流れが変わってきたのかもね。実験性も、いい加減、飽き飽きしてきているから。」
人形くくぅ「
実験性自体が飽きられたら、もうおしまいだ。」
こくまくくぅ「まあ、王道が結局一番大当たりすると思うけどね。かつてのとら食堂とかね。大勝軒や二郎も、結局そうだろう。」
人形くくぅ「
大衆主義とネットの発達で、際物も、もてはやされて、大御所のように捏造されやすい。それはそれで、商業主義の王道、なのでいいのだろう。」
こくまくくぅ「でも、最後は、いいものが残るはず。王道に収斂していくのだろう。まあ、とにかく、一直の豚清湯、
たべたい、という気になる。一口目の幸福感がたまらない。」
人形くくぅ「
普通にウマイ、ではなく、幸福だ(笑)。」
こくまくくぅ「ピンポイントの精度のうまさで、無駄がない。まずい店は、無駄が多い。無駄を処理できない。引き算ができないので、足し算にしちゃう。なにかと、おまけでごまかすわけだ。」
人形くくぅ「
おまけ商法。尾ひれ、デコレーション。本体すかすか。みてくれと美辞麗句の飾りつけ。よくあるタイプ。」
こくまくくぅ「この、醤油味の染み込んだチャーシューも、なんだか、だんだんうまくなってきたぞ!」
人形くくぅ「
やわらかもっちりジューシーだ。」
こくまくくぅ「自家製麺は、今日は、ややかためだ。試行錯誤か日によるブレかわからない、けど、もうちょい、やわらかもっちりが好きなピンポイントかな。もちろん、こなれたうまさの100点越えでの話だ。今日はちょっとだけ、あごが疲れる(笑)。歳なんでね。」
人形くくぅ「
多少変わるのが自家製麺の息づかいで、ある意味、退屈しないけどね。きょうのいい、みたいなビンゴ感も喜びだ。逆に神経質にはなる(笑)。」
こくまくくぅ「スープは安定している。多少のブレは時間によって生じているのを含め。」
人形くくぅ「
ここのところ、ずっと、食べ続けているわけだけど、なにせ、以前の絶品鶏清湯のトラウマ、もあるからね(笑)。食べられるときに食べておかないと。」
こくまくくぅ「鶏清湯の中華そば、最後に食べて数日後に終了した。虫の知らせか(笑)。驚愕。こんなにうまいのにっ!」
人形くくぅ「
もっとまずい店、長々続いているのにっ?(笑)」
こくまくくぅ「このぶたちんとおんなじくらいうまいのもう一つあるんですよ! すごすぎ。しかも、シャープな自家製極細麺!」
人形くくぅ「
あの細麺、たべたい! 清湯醤油ブームなんて、嘘です。ここに勝てるわけない(笑)。」
こくまくくぅ「あるとすれば、この清湯醤油ブームは過酷だろう。すでに確立した精度の高い分野だからだ。競合他店が多いので、真っ向勝負で、店の実力のほどが見えやすく、ぼろが出やすいし、食べ手も、見識や舌センスがばれてしまう。もともと避けていたように、遊んで逃げてた方がはるかに楽だ。」
つけそば醤油 700円
こくまくくぅ「さて、ツイッターで告知がなかったので、限定の塩つけが、食べられなかった、と怒っている投稿者の意見もあるようですが、まあ、限定だけ目当てで食い荒らすようなタイプも多いので、それよりは、普段からコンスタントに来てくれているお客さんに、より多く機会を提供する方が、むしろ良心的な気はする。」
人形くくぅ「
来て、あった、うれしい、ってね。サプライズのプレゼント。自慢話や話題性目当てみたいな限定ハンターよりいいだろ。」
こくまくくぅ「塩つけ、二度食べて、今日も含め、交互に醤油つけも食べているんだけど、今日もあったけどね。」
人形くくぅ「
まあ、限定、だから、一日の数が少ないのかな。期間的にいつまであるのかは知らない。でも、柚子さえあればいつでもできそうだ。なので、安心して、交互にたのんでいるけど。まあ、塩つけ、うまいっすよ(自慢)。」
こくまくくぅ「食べといた方がいいっすよ(笑)。ここのところ、つけダレは、甘さがやや後退している。これも、自分の好みでは、思いっ切り甘い日が好きっ、だけど、これでもまあいいでしょう(苦笑)。でも、甘いっ方がインパクトはある気はするなあ。」
人形くくぅ「
その分、相対的に、酢の酸味が目立ってが浮上してくる感じかな。」
こくまくくぅ「麺もかため。タレも麺も、微調整して、いろいろ試しているのかもしれない。まあ、いいことです(笑)。こうしているうちに、
大化け、が生まれるわけですからね。おおいにけっこう!」
人形くくぅ「
攻める姿勢。これめでのメニュー変更の千変万化も、無駄ではなかった!」
こくまくくぅ「なんか、最初、ちゃらんぽらんなのかとも訝しんだけど、生え抜きのエリートですよ。御見それしました。店主さん、最近、すごい人だと、思う。」
人形くくぅ「
うまく作る才能、あふれすぎっ。麺とスープの自家製同時進行、意味が深いと思いますよ。徹底したものづくりという感じだ。マジ、頭下がります。その冴え、喜元門を脅かす勢いだ。」
こくまくくぅ「ちなみに、カウンター席での、この麺の写真、もっとも、本物に色が近い、かな。いつもの窓辺の外光だと、もっと、白っぽく写りがち、なのだ。」