こくまくくぅ人形「えるびすの
裏庭の大きな木の上の方に、今はもう使われていないのだろう
鳥の巣がありましたよ。見つかるかな?」
住所 茨城県水戸市千波町2806
電話番号 029-241-7242
営業時間 11:00-15:00/17:30-22:30
定休日 第2、第3月曜日
喫煙 可
こくまくくぅ「いやあ、少し間が空いた。ここのところ、ずっと、えるびすに来たかったんだけど、というか、パンチやスタミナなどをすごく食べたかったんだけど、一直と喜元門に行くのも忙しい。」
人形くくぅ「
マスターに聞こえますよ。」
こくまくくぅ「どこへ行くか、気持ちが千千に乱れるよ。」
人形くくぅ「
ちょっと、やみつき中毒になるからね。」
こくまくくぅ「いっそ、もう、3連食するか、くらいに思うけど、心配妖怪が、心の中で、
だいじょーぶなのかぁ~と叫ぶのさ。」
人形くくぅ「
もう歳だから。」
パンチ えびす「
ご自愛ください。」
こくまくくぅ「あれ、なんか、後ろのテーブル席に一人で座っている子供が、背中越しに、何か言ったぞ!」
パンチ えびす「
ご無理はなさらない方が・・・」
人形くくぅ「
あ、こちらに向き直って、われらのテーブル席に座り直した。胡散臭そうな子供だ。君の席はここじゃないぞ。」
パンチ えびす「
いえ、おかまいなく。おじゃましますよ。」
こくまくくぅ「おじゃましなくてもいいんですけど。誰なんだ?」
パンチ えびす「
ま、そう言わずに。私、パンチえびす、と申します。よろしく。」
人形くくぅ「
胡乱な子供だなあ。名前も変だ。」
パンチ えびす「
解決不能の問題の解決策を知っていますか?」
こくまくくぅ「え?」
パンチ えびす「
それを、解決不能の問題として、定式化しなおすこと、です。」
人形くくぅ「
何を言ってるんだ?」
こくまくくぅ「ふむ。それで・・・」
パンチ えびす「
何千年もの間、解決不能ならば、その対象は、そういう性格のもの、として位置付ければいいわけです。」
人形くくぅ「
なるほど。君、難しいこと言うね。」
パンチ えびす「
ある立場に固執して、対象を規定しようとしている、その立場そのものが、答えなわけです。」
こくまくくぅ「月を指さすブルース・リーみたいだ。」
人形くくぅ「
問題化の場所をずらせばいいわけだ。」
パンチ えびす「
たとえば、普遍性の場所が、空白のまま、なら、普遍性は空白、という定義になるわけです。」
こくまくくぅ「何かがあると思い込んでいるけど、思い込みがあるだけで、よく考えてみれば、実質的には、空っぽ、ということか。」
パンチ えびす「
普遍性の場所は空白のまま、なので、王を殺したジャコバン主義の恐怖政治のように、空位になった中心権力の場所を占めようとする者は、誰であれ、僭称者、横領者、として、糾弾されることになります。」
人形くくぅ「
なるほど。普遍性の場所を占める者は、いずれも、普遍性とは程遠い、経験的な偶然性の刻印を帯びた者にすぎない、と。」
こくまくくぅ「結局、民主主義もそういうことだ。」
パンチ えびす「
その通り。結局、革命は、永久に革命になるということです。民主主義も革命の延長にある、わけですからね。」
人形くくぅ「
民主主義は、中心権力の独占を許さない、というのが定義だ。」
こくまくくぅ「民主主義的な中心権力の場所を占めると自称する者は、独裁者として、その座から追放される。」
パンチ えびす「
よろしい。20世紀は、この空白の場所に、民衆を代入して、大衆主義的な、反権威、を標榜してきたわけです。が、理屈からすれば、大衆主義も絶対化されることはない。」
人形くくぅ「
居座れない。絶対は、例外なく相対化されるわけだ。」
パンチ えびす「
王(権威)を殺した革命は、例外を認めないので、絶えず中心は更新されることになります。」
こくまくくぅ「なるほど、確かに、絶えず革命状況なので、古い権威は、常に、新しいものに取って代わられている。」
人形くくぅ「
民主主義は変化が常態だ。日常生活でも、何何革命、としょっちゅう言われる。」
パンチ えびす「
つまり、中心の空白は、いつでも、かりそめの代理人によって埋められるだけ、です。普遍性は仮面、なのです。」
こくまくくぅ「仮面としても、じゃあ、どうやって、あるかないかわからない普遍性を求めればいいのだ?」
パンチ えびす「
こうした、不断の革命の過程そのもの、を引き起こしているもの、こそが、普遍性である、ということになるわけです。」
人形くくぅ「
なるほど。」
こくまくくぅ「その原動力は?」
パンチ えびす「
嫌悪感、です。直感的な不快感、としか言いようがありません。」
人形くくぅ「
普遍性の、実体的な規定も基準もない、わけだからね。なんとなくの感覚でしかない。」
こくまくくぅ「インスピレーション、だけがたより、ということか。」
パンチ えびす「
現に、そうして、歴史は動いているわけです。なにしろ、普遍性と言いますが、それを具体的に見たことある者などいないわけです。」
人形くくぅ「
盲目の手探りか。確かに、体制そのものを変える革命には、あらかじめ正当化される根拠、などないわけだし。世の中がひっくり返るわけだから。」
パンチ えびす「
暗闇の跳躍です。だから、間違いも多い。選択にあたって、迷いがあれば、よくない、と言うしかない。」
こくまくくぅ「迷いがあるときは、悪い時、か。」
人形くくぅ「
正しい選択、も常に、空白を埋める仮面にすぎない。・・・仮面? あ、そうか、わかったぞ!」
こくまくくぅ「あ、そうか、答えは仮面なのだな! この鼻持ちならない生意気な子供は、仮面だ!」
パンチ えびす「
わかりましたか・・・」
人形くくぅ「
また、騙された。あ、やっぱり! 子供がお面をはずしているぞ!」
こくまくくぅ「お面の下は・・・、ミニくくぅだ! なーんだ、気づかなかったよ、ははははは。」
人形くくぅ「
すっかり玉冴えたよ。ははははは。」
パンチラーメン 750円
こくまくくぅ「パンチラーメン。今や、J系をほとんど食べに行かなくなった、のに、このJ系ばかりは食べている!」
人形くくぅ「
ということは、これを食べているので、他はいいや、ということか。」
こくまくくぅ「何か、根本的にひっくり返ったような。このパンチから、オセロゲームのように、白黒が逆転してしまったというか。」
人形くくぅ「
地図が塗り替わる。」
こくまくくぅ「これ、もう、別に、J系でなくて、積極的な自己主張としてもいい、力がある。これは、J系でなく、P系としよう!(笑)」
人形くくぅ「
J系からは独立しました(笑)。」
こくまくくぅ「これからは独り歩きです。これ自体、で、独自にうまい、からね。比較分類する必要がない。」
人形くくぅ「
ま、ずっと、そう思ってましたけどね。」
こくまくくぅ「まあ、若いときは好奇心であちこち行くけど、歳とってきたら、決め打ちになるな(笑)。」
人形くくぅ「
もう、まずいの食べたくない(笑)。我慢が効かなくなる。」
こくまくくぅ「上手い店がだいたい決まっちゃう。察しがついて、高が知れているのも、なんとなくわかってくる。若いときは、それでも、先入観もまちがえているかもしれないし、認識として、確認作業を怠らない我武者羅さがある、んだけど、よく考えたら、評論家なわけでもないし、好きなものだけ食べればいい、という考えが勝ってきた。」
人形くくぅ「
それに、うまい店の掘り下げも忙しい(笑)。100軒違う店に行くよりも、同じ店に100回行く方にシフトしてきた。」
こくまくくぅ「これは、P系です。ラーメンだけど、P系という独自の食べ物です。」
人形くくぅ「
まず、背脂がうまいし、独特のニンニク醤油スープがうまい! さらに、それらが連動していることは言うまでもない。」
こくまくくぅ「そして、麺よし、モヤシよし、チャーシューよし、で魅力を爆発させる、んだけど、とりわけ、この激ウマのバラロール・チャーシューのぶつ切りは、イカシテいる要中の要だ。これ、いくら食べてもうまい。(餃子はスペシャルです。本来ありません。)」
人形くくぅ「
ここのチャーシューは、くどくないから、何度でも、いくつでも食べられる優れものだ。これはこれで、かなり独特のうまさなので、二郎はもちろん激ウマで大好きだけど、比較は必要がない。」
こくまくくぅ「別物、で十分だ。J系はJのオーラに頼っているけど、これは、独立です。うまいものをつくったよ。」
人形くくぅ「
味的に優れているんだよね。Jとの比較でどうこうではない。」
こくまくくぅ「ラーメンは、シンプルな食べもので、そう多くない要素の組み合わせから成り立っている。なので、たいていの店は似たり寄ったりの味だ。冴えのある店はどこが違うのか。結局、詰め、があるかどうか、なのだろう。」
人形くくぅ「
詰め、の選択肢がいくつもある。そのつど、うまくやりぬけること、だろう。迷いがある、のに、妥協すると、そこで、たぶん、アウトになる。細かい分岐点の所作で、大きな差、ズレになる。この徹底性だろうなあ、差が出るのは。」
こくまくくぅ「吟味の、集中力と勘(インスピレーション)だよね。うまいもの、は未来の空白だ。どうやって辿り着くか、明確な道はない。」
人形くくぅ「
職人すべてに通じることだろう。」
こくまくくぅ「まあ、通常、普通にうまいものをつくる、くらいで満足しちゃう、のだろうけど、およそ店たるものは、うまいのは、ただの前提だ。」
人形くくぅ「
どの店だって、うまい。」
こくまくくぅ「その上、だから、たいへんなのだ。しかも、それは、降りてくるかどうかの領域だ。王道は、ただのうまい、だ。」
人形くくぅ「
毎日、懇願しなければならない。一念、岩をも通す、だ。」
スタミナラーメンホット 700円
こくまくくぅ「スタミナ。S系です(笑)。S系の他店に行ったことはないけど、ここが一番です(笑)。怠惰で申し訳ありません。」
人形くくぅ「
ここで食べているので他はいいや、と。S系は、ラーメンにあらず、S系という食べ物です。」
こくまくくぅ「やはり、ホットはうまい。でもこれ、けっこうなところ、醤油ラーメンの傑作だ。まあ、食べたことない人は、想像しない方がいい。どうせ、何か、中華料理系の、あんかけものの類、だろう、と誰もが予測するはずだ。さにあらず!(笑)」
人形くくぅ「
自分が過去に食べたことのあるあんかけものラーメンの何とも似ていない! 想像は裏切られる!!!」
こくまくくぅ「別物。勉強不足だけど、たぶんね。他に知らない、激越なうまさだ。もちろん、ここの話だ。S系の他店の保証はできない。」
人形くくぅ「
きっとおいしいんですよ、他店も。」
こくまくくぅ「まあ、強烈過ぎる、むきだしのうまさだ。スープと餡の融合していくうまさは、骨太の激ウマの甘辛醤油味だ。しかし、強さだけではない。レバーや野菜の角切りの織りなす繊細な味のハーモニーは精緻だ。」
人形くくぅ「
彩りもいい。宝石箱だ。」
こくまくくぅ「豪快でセンシティブ。大胆かつ繊細。理想的だ。下手な店というのは、結局、小心翼翼かつ粗雑、なのだ。性格というかね、こまごまと、こまかいくせに、杜撰な人っている。まあ、モノづくりはあきらめた方がいいわけだ。」
人形くくぅ「
ちまちまと小さいことにとらわれるけど、乱雑な人。まあ、他に向いたものがあるはずだから、それでいいのだろう。様々な性格は、多様な適応能力だから。」
こくまくくぅ「まあ、自分のことですが、こまごまと店をまわらない、での、大胆な放言、慎むべきでしょうね(笑)。」
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こくまくくぅ人形「水戸の名所、
弘道館へ、行ってきましたよ。その様子は次回!」