りすろう「今日のメニューは、スタミナ冷やしもどきの、スタミナうどんだ。」
うでじろ「まあ、てきとーに、見よう見まねで、つくられたもののようだけど、けっこううまい。」
りすろう「あ、うでじろが首からぶら下げている筒の上の口から、つつねずみが顔を出した。」
つつねずみ「
鳥の揚げ物、カボチャと人参の油通ししたもの、キャベツ、青梗菜、などが、入っているようだ。」
うでじろ「それらの具が、とろみのある、あまから醤油ダレに絡まっているものが、うどんの上にかかっている。」
つつねずみ「
うどんは、市販品のようだ。」
りすろう「一味唐辛子も入って、ちょっとピリ辛だね。この組み合わせは、なかなかよくできているよね。誰がつくっても、そこそこうまいものができるんじゃあないかね。」
うでじろ「まあ、酢豚と似ているけど、酢は入っていない。」
りすろう「僕は、学割で、大盛り無料にしてもらったよ。」
うでじろ「え! キミ、学生なの。」
りすろう「そうだよ。」
うでじろ「知らなかったよ。」
りすろう「やまりす学園に通っている。」
うでじろ「へえー。確かに、賢そうな黒い目をしている。」
つつねずみ「
何を考えているのか、わからないような目でもあるけど。」
りすろう「ほら、学生証。」
うでじろ「本当だ。」
つつねずみ「
なんだか、全部、手書きっぽいなあ。」
うでじろ「それで、何を勉強しているの?」
りすろう「ラーメン考現学。」
うでじろ「ひぇー。」
りすろう「りすふくろう先生や、ばななりす先生や、そらりす先生の講義もとっているよ。」
小りす1「
ラーメン現象学講座。」
小りす2「
ラーメン俳句講座。」
小りす3「
ラーメンと土地学講座。」
小りす4「
こお。」
うでじろ「あ、小りす×4が、りすろうのしっぽから出てきて、テーブルにのって、スタミナを食べ始めた。」
りすろう「最近、ととり、や、りすざる、も聴講しているよ。」
うでじろ「へえ。それで、いつも一緒の小りすたちも勉強しているの?」
りすろう「おちびちゃんたちは、学園内の木々の間を走り回って遊んでるよ。」
小りす1「
かくれんぼするのによいところ。」
小りす2「
おはなしするのによいところ。」
小りす3「
おひるねするのによいところ。」
小りす4「
らあ。」
うでじろ「なるほどね。」
小りす1「
うまい、うまい。」
小りす2「
タレの絡んだ唐揚げうまい。」
小りす3「
カボチャがあまい。」
小りす4「
らあ、らあ。」
うでじろ「皿を囲んで、むしゃむしゃ食べてる。」
りすろう「あ、店の奥から、小ねずみ×4が、出てきたぞ。」
うでじろ「小りす×4も、食べるのをやめて、小ねずみ×4をじっと見ている。」
つつねずみ「
臨戦態勢だ!」
りすろう「あっ、追いかけっこがはじまった!」
うでじろ「ものすごい速さだ!」
りすろう「やれやれ、当分、走り回るだろうよ。」
つつねずみ「
運動会かっ!」
りすろう「つつねずみちゃんは、参加しないの?」
つつねずみ「
ムダ、突かれるだけムダ。」
りすろう「あ、つつねずみが、筒の中に隠れちゃった。」